住所
〒124-0011 東京都葛飾区四つ木 1-23-11

アクセス
京成電鉄「四つ木駅」より徒歩5分

はじめに

先日、葛飾区にある北星鉛筆さんの工場を見学させていただきました。
最近は、デッサンを描かずに、鉛筆の歴史や製造工程のことばかり調べていました。
鉛筆の歴史については「鉛筆の歴史」で記事にしました。先にこちらを読むと鉛筆についてわかりやすいかと思います。
だいぶ、鉛筆について詳しくなれたかと思います。
そこで、もっと鉛筆について詳しい方にお話をお伺いしたいと思います。

Mob
初めましてMobです。本日は、よろしくお願いします!

杉谷和俊
北星鉛筆の杉谷和俊です。よろしくお願いします。

北星鉛筆の経営理念

北星鉛筆さんでは、代々受け継がれている経営理念があります。

〔鉛筆の精神〕
「鉛筆は我が身を削って人の為になり真ん中に芯の通った人間形成に役立つ立派で恥ずかしくない職業だから、鉛筆のある限り。家業として続けるように」

北星鉛筆公式サイト引用
鉛筆の精神
鉛筆は削らなければ字は書けません。いくら立派な芯を持っていても削らなければ、夢が描けません。
夢を描くから、自分の身を削る。自分の身だからと言って勝手に削ると失敗します。
みんなの事を考えて、削ると逆にみんなが応援して、自分の夢が叶うというのが鉛筆の精神です。

杉谷和俊
鉛筆以外の筆記具は10年や50年おいていたら、いざ書こうと思ったら全部書けません。
しかし、鉛筆は100年経っても、200年経っても書けます。書けるけど、削らないと書けません。
それが鉛筆の精神につながっています。

東京ペンシルラボ資料

工程

元々、北星鉛筆さんは北海道で杉谷木材として開業した会社です。
現在鉛筆に使用している木材は、北米産インセンスシダーと中国のシナ材の2種類を使っています。

アメリカではインセンスシダーは「鉛筆の木」と言われています。
アメリカで伐採されたインセンスシダーは建築用などの用途に分けられた後は、中国でスライス加工されて、「スラット」と呼ばれる板の状態で日本に輸入されます。これが、鉛筆の軸用の板です。

北星鉛筆さんでは、鉛筆の木軸を作る所からスタートです。

①木材を準備する。
②溝を掘る。
③接着剤をつける。
④芯を乗せる。
⑤サンドウィッチして接着剤を乾かす。
⑥鉛筆の形に削る。
⑦鉛筆軸を塗装する。
⑧端を切って鉛筆を整える。
⑨消しゴムを付けたり、キャラクターを印刷したり、様々な加工をする。

You Tubeに北星鉛筆さんの製造方法の動画があります。「工場見学 鉛筆」で検索すると出てきます。

鉛筆の生産数は?

2018年の統計です。
・鉛筆の生産数量は、2億764万8千本
・日本の人口は、1億2644万3千人

鉛筆の最盛期は、1966年です。
・鉛筆の生産量は、13億8542万4千本
・日本の人口は、9903万6千人

Mob
グラファイト鉛筆は家に103本あります。

なぜ小学校では鉛筆を使うのか?

杉谷和俊
鉛筆以外の筆記用具を持つと、例えば、ペンなら頭の中で「書けるかな」と思いますよね?
横で試し書きをしたりします。書けるかなと思わなくても、
勉強に集中して書けるという事で鉛筆を使用しているようです。
えんぴつの良いところは絶対に書けるという事です。

Mob
小学生の頃は、バトル鉛筆のドラキーが好きでよく使っていました。

1本の鉛筆で書ける距離は?

杉谷和俊
1本の鉛筆で50kmほど書けます。
しかし、実験をした時には、25kmくらいでなくなってしまいました。
なぜかというと、自分たちが鉛筆削りで削りすぎているか、折ってしまったからです。
ちゃんと、芯を使えば、50kmほど書けます。

Mob
鉛筆の長さは、日本工業規格(JIS)で172mm以上と決まっています。
172mmの鉛筆の場合では、10mmで約2.9km書けます。
今度、デッサンで何キロ分描いたか計算したいと思います。

鉛筆の濃度の基準は?

日本工業規格(JIS)があり、HBの濃さを決めています。
約7割が黒鉛で、約3割が粘土で配合しています。
HBの濃さを逆転しないようにB、2B、3B・・・を作ると決められています。
同じメーカーでHBから濃くしたり薄くしたりしていくと濃さがちゃんと合っています。
すべて逆転しないように作っています。
HBだけが基準となります。

杉谷和俊
どこで買ってもHBはHBです。

鉛筆濃度測定機

筆記濃度試験の方法が詳しく書かれています。
JIS規格番号JISS6006

鉛筆屋が作った鉛筆削り

日本式 鉛筆削り「634」

杉谷和俊
今までは、削り器屋さんが作った削り器だから、ゴミは全部上に出ます。
こんなに多く削れていますよと削ったゴミを見せるわけです。
鉛筆屋は、鉛筆がみたいわけです。だから、削りながら鉛筆が見えるようにしました。
削り器屋さんの発想とは逆です。

使用法

①基軸を削る。
②周りの基軸剥いたら、次に中と芯を削る。

杉谷和俊
6角も3角も4角も全部削れます。
ドイツ式の鉛筆削り器を日本式に変えていきたいです。

Mob
「634」で削るとゴミが下に落ちて、先が尖っていくのが見えながら削れます。
あまり力を入れないで回す方がきれいに、削れました。
カランダッシュの鉛筆は軸が太いので、これで削っています。

商品開発、物作りに対しての思い

芯が折れない鉛筆削り器を鉛筆屋が開発。鉛筆が売れなくなっちゃうかなと杉谷さんは笑っていました。

物には全て価値があって、その価値が時代の中でぶれていくと物が売れなくなったり、会社が潰れたりするわけです。
価値をいかに追求しながら、次世代にその価値をどうやって作り上げられるのか。
ただ物を作っただけではなくて、なぜ作ったかというコンセプトも大切です。

子供の頃から使う筆記具から、最後は筆圧が弱くなって介護でも使える鉛筆作りを、
鉛筆っていいなという思いを、ここから発信しているのが東京ペンシルラボです。
と杉谷さんは語っていました。

作例

Mob 「鉛筆屋さん」 2019年 紙 シリウス 鉛筆 北星鉛筆 Art Set 6B~4H 297×210mm

Mob
杉谷さんとトークができて楽しい時間が過ごせました。
今回の工場見学で知らなかった新しい鉛筆の知識が増えました。
ありがとうございました!
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